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妊婦さんも、もちろんダメ!トランス脂肪酸って何?〜日本と世界の対策〜

2018年1月1日

 

 

トランス脂肪酸が体に悪いと言う認識が浸透し始めていますが、個人個人で摂取を控える以外に何か対策は取られているのでしょうか?どうやら日本と世界では対策が違うようです。今回は日本と世界のトランス脂肪酸対策についてご紹介します。

 
【世界の対策◇WHO/FAO】

 

2003年にWHO (世界保健機関)とFAO (国際連合食糧農業機関)の合同専門委員会が、トランス脂肪酸の摂取量を1日1%未満に控えるとの勧告が発表しました。しかし国によって対応は様々なようです。

当時で言うと、例えばアメリカ(市や州によって異なる)、カナダ、スイス、デンマーク、シンガポールといった国ではトランス脂肪酸含有量などの規制措置をとりました。また韓国、中国、台湾などでは、トランス脂肪酸含有量の表示を義務づけています。規制や義務ではありませんが、EU諸国やイギリス、オーストラリアなどでは、自主的な低減措置が実施されているようです。

より厳しい措置を取っている国にいる妊婦さんは、少し安心できますね。

 

【世界の対策◇アメリカの最新対策】

 

世界の中でもアメリカでは、最も厳しい措置がをとることが発表されています。 FDA(食品医薬品局)がトランス脂肪酸を含む油脂の食品使用について、原則禁止としたのです。この規制は2018年6月18日から開始されます。

原則禁止となれば、よりトランス脂肪酸含有量が少ないものを選び取る手間もなく、妊婦さんに限らずどんな人でも安心して購入ができるようになりますね。

 

【日本の対策◇厚生労働省】

 

厚生労働省によりますと、現時点では、食品中のトランス脂肪酸について、表示の義務や含有量に関する基準値はありません。それに加え、不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸、コレステロールなどの他の脂質についても表示の義務や基準値もないそうです。

そう聞くと、日本はなんて国だ!なんて思う人もいるかもしれませんが、理由があるようです。農林水産省が実施した調査研究(2008年)によると、日本人一人あたりが一日に摂取しているトランス脂肪酸の平均的な量は0.92~0.96gと推定されるそうです。これは平均総エネルギー摂取量の0.44~0.47%に相当することになります。それに対してアメリカでは、3〜4倍程度のトランス脂肪酸を摂取しているようです。つまり、日本人の平均的な摂取量とエネルギー比がアメリカ人に比べると少なく、制限しなくとも健康に害はないと言うことのようです。

農林水産省では対策として、トランス脂肪酸だけにこだわるのではなく、食塩や脂質を控えめにし、いろいろな食品をバランスよく食べるという食生活指針の基本を守ることで、トランス脂肪酸による健康被害を予防できると考えているようです。

とはいえ・・・妊婦さんとしては是非とも規制をして欲しいと思ってしまいますね。

 

【日本の対策◇企業努力】

 

国としての規制はないものの、食品メーカーなどによる自主的な企業努力により、トランス脂肪酸の含有量が従来よりも少ない食品が販売されてきています。油脂の加工過程で生成されるトランス脂肪酸は、新たに開発された技術を用いることで低減することができるのです。同じマーガリンやショートニング、コーヒークリーム、油を比べた時、含有量に大きな違いがあるのはこのためですね。

妊婦さんは、同じ食品でもこうした企業努力によってトランス脂肪酸が低減されているものを選びたいものです。

 

【最後に】

 
いかがでしたでしょうか。妊婦さんの身としては、国としての対策が甘いのではないかと感じる人も多いかもしれません。妊婦の自分自身も、生まれてくる赤ちゃんも、守るのは自分です。気にしすぎることなく、うまく体に良い食品を摂っていきたいですね。