温泉が好きだという妊婦さんも多いと思いますが、感染症にかからないかという心配を持っている人もいるのではないでしょうか。今回は温泉での感染に関連がありそうな具体的な菌についてご紹介する第三弾「クラミジア菌」です。
クラミジア性感染症とは?
このクラミジア性感染症はクラミジア・トラコマチスという菌に感染することで発生する性感染(STD)症で、日本で最も多い性感染症だそうです。16~25歳の男女でいうと5~6%が感染しているといわれていて、年間の患者数は男女合わせて2万人を超えているのです。
また、実に妊婦さんの3〜5%が検診でこの感染が発覚するそうです。
クラミジア菌に感染するとどうなる?
クラミジアの潜伏期間は1~3週間程度で、この間はほとんど自覚症状がないようです。さらには症状が出たとしても軽度であることが多く、自分が性感染症に感染していると自覚しないまま長い間過ごしてしまうことも多いそうです。症状が出た場合、女性は下腹部痛、性交痛、排尿痛、おりものの増量や不正出血などがあります。無自覚のまま放置していると子宮頸管炎から卵管炎へと炎症が広がったり、卵管狭窄(らんかんきょうさく)という病気になってしまったりするケースもあります。ほかにも骨盤腹膜炎や肝周囲炎になることもあるそうです。そうなると子宮外妊娠や不妊症につながる恐れがあり、症状がないだけに余計恐ろしい感染症と言えるかもしれません。男性の場合は、排尿時に軽い痛みや違和感を覚えることがあるようですね。また薄い白色の分泌液が出ることがあるそうです。男性も、女性と同じく治療しないで放っておくと、副睾丸炎という炎症などを起こし、不妊の原因になってしまう可能性があるそうです。
どんな人が感染しやすい?
男女共感染することがありますが、自覚する確率は少し男性の方が高いようです。男性では50%、女性では20〜30%しか自覚症状がないとのことです。他に赤ちゃんが生まれる時、産道を通ることによって感染してしまいます。
温泉で感染することはある?
クラミジア菌の生命力自体は非常に弱く、人の細胞から離れると死んでしまうとのこと。そのため、温泉のお湯からの感染は心配しなくて良いと考えられます。
最後に
温泉や銭湯の入浴でクラミジア菌に感染することを気にする必要はなさそうです。しかしクラミジア菌を気づかずに放置してしまうことは恐ろしいということはわかりましたよね。妊娠すると、検診の際にクラミジア菌への感染の有無を確認する検査をしてもらえますので、赤ちゃんへの感染は防ぐことはできそうです。しかしそれまでに不妊症にならないようにするためには、自分の体の変化をしっかり観察しておきたいですね。