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妊婦が温泉で気をつけるべき感染症とは?〜レジオネラ症〜

2017年11月13日


 妊婦さんが温泉に入ってもOKとはいえ、感染症にかからないかは心配ですね。心配と言っても、具体的にどんな感染症があるのかは意外と知らないかもしれません。今回は温泉での感染に関連がありそうな具体的な菌についてご紹介する第一弾「レジオネラ菌」です。


 

死亡者が出てニュースにもなったレジオネラ菌とは?

 
2017年3月に死亡者が出てしまった、日帰り温泉施設でのレジオネラ菌感染。死亡者以外にも30~80才の男女40人程度が集団感染したそうです。日帰り温泉施設での感染で死亡するという衝撃的なニュースに、温泉旅行を中止した妊婦さんもいたかもしれません。確かに温泉施設でレジオネラ菌に感染した、というのは事実です。しかしレジオネラ菌が一体どういった菌なのかは知らない人もいると思いますので、まずはそれをご紹介します。
 
このレジオネラ菌、実は河川や湿った土壌など自然環境中に生息していて、特に珍しい細菌ではないのです。アメーバなどの原生生物や他の生物の細胞内に寄生したり、藻類と共生したりして、成長するそうです。厄介なのは河川や湿った土壌だけではなく、私たちの生活空間でも生息していること。どこかというと、大量の水を溜めて利用する場所です。その代表例が温泉などの入浴施設なのです。循環式浴槽水、冷却塔水、給湯器の水などでよく増殖し、特に浴槽や配管の内壁などにはぬめりができやすいそう。このぬめりの中のバイオフィルム(生物膜)という膜の中で増殖した細菌は、簡単に除去することができないのだとか。またさらに問題なのは、このような人工温水中にはアメーバなどの原生動物が多数生息しているため、そのアメーバに寄生してレジオネラ菌が大量に増殖してしまうということです。これが、集団感染が1つの原因になってしまっているのだそうです。
 

レジオネラ菌に感染するとどうなる?

 
レジオネラ菌に感染すると、レジオネラ肺炎やポンティアック熱になる可能性があります。ポアンティック熱は一過性の発熱と倦怠感や頭痛などの軽度のものが多いですが、レジオネラ肺炎になると高熱や意識障害など重篤な症状まで引き起こす可能性があります。レジオネラ菌には種類がたくさんあるそうで、肺炎なりやすいものが存在するようです。
 

どんな人が感染しやすい?

 
もちろん健康な成人男女も感染をしますが、乳幼児や高齢者などが感染しやすいです。またそれに加え、喫煙者や大酒飲みの人が感染しやすいとも言われているようです。乳幼児や高齢者は免疫力が弱いためかかりやすいと考えると、妊婦にも同じことが言えると考えられますね。
さらに怖いのはレジオネラ肺炎の進行が早いため、急激に病状が悪化し、最悪の場合死に至る可能性もあるということです。
 

どのように感染する?

 
健康な人がただ入浴しただけでレジオネラ菌に感染することはないそうです。シャワーやジェットバスなどで霧状になって飛散し、鼻や喉から吸い込んだ菌が肺に付着することで感染するということです。
 

最後に

 
日々温泉や銭湯を利用している人数を考えた時、これまでの発症例は多いとはいえず、過度な心配をする必要はないように思えます。とはいえ、不安に思いながら入浴するくらいならば控える、という選択肢もありかもしれませんね。