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妊婦さんにとって危険なリステリア菌って何?

2017年3月21日

 
健康な大人にとって、リステリア菌はそう恐れる菌ではありません。

無症状のまま、何もなくおさまっていくこともよくあるそうです。

ですがこの正式名称リステリア・モノサイトゲネスという病原菌が引き起こす食中毒は、

妊婦さんにとっては特に恐ろしいものです。

妊婦さんの場合、他の大人と比べるとなんと20倍もリステリア症になりやすいと言われています。

お母さんの体自体にはそう大きな影響が出る可能性は低いそうなのですが・・・問題は大切な赤ちゃんです。

早産・流産・死産の確率が上がってしまいますし、おなかの中で赤ちゃんが胎児敗血症になってしまう可能性もあるそうです。

また、赤ちゃんが無事に産まれたとしても、新生児髄膜炎・新生児敗血症の原因にもなるとか。

このように赤ちゃんの生死にかかわるものなので、特に注意しなければならないのですね。

リステリア菌に感染した妊婦さんの約4分の1が、流産や死産、新生児の死亡などが起こるそうです。
 
◇どんな特徴が?◇
 
リステリア菌自体は、自然の中や私たちの身の回りのあちこちに存在している菌。

主に河川水や動物の腸管内などにいる細菌で、他の食中毒菌と同様に加熱にをすることで死滅しますが、

4度以下の低温や、12%の食塩濃度下でも増殖できる点が特徴だそうです。

そのため何が起こるかというと、通常、他の菌が冷蔵庫保存や塩漬けによって増殖を防ぐことができるのに対し、

リステリア菌はそのような環境下でも増殖を続け食中毒の原因になってしまう恐れがあります。

厚生労働省は、『冷蔵庫に長期間保存され、加熱せずにそのまま食べられる食品は、原因となりえますので注意が必要です』と喚起しています。
 
◇症状とはどんなもの?◇
 

この食中毒にかかると、潜伏期間は24時間から91日間(おおむね3週間程度)と広範囲。

症状は、38~39℃の発熱、頭痛、筋肉痛や関節痛といったもので、インフルエンザの症状に似ているようです。

また、腹痛や腰部痛も見られることがあります。

特に妊娠期間の後半26~30週はリステリアなどに対する細胞性免疫が低下するため、より注意が必要だそうです。
 
◇どのように注意したらいい?◇
 
ナチュラルチーズや食肉加工品、生野菜やスモークサーモン、肉や魚のパテ等をさけることです。
ナチュラルチーズとは具体的にいうと、カマンベールチーズやフェタチーズ、ブリーチーズ、ロクフォーチーズ、メキシカンスタイルチーズなどです。カマンベールチーズ以外はあまりメジャーではないように思います。おつまみなどでたくさん出てくるチーズのどれが良くてどれがダメなのか判断がつかないですし、外食ではチーズ自体を避けたほうが良いかもしれません。これらはソフトタイプのチーズになるのですが、ハードチーズについてもリステリア菌が検出されたことがあるようです。
また、食肉加工品とは、ハムやソーセージなどのことです。通常は加熱してから食べるのでリステリア菌は殺菌されるのですが、サラミや生ハムなどの場合は、そのまま食べますよね。スモークサーモンやパテも同様です。
生野菜に関しては、トキソプラズマの危険性もありますよね。健康な人でも、よく流水で洗って菌を取り除いた後、菌を増殖させないようになるべく早く食べたほうが良いです。
アメリカではメロンやアイスクリームから検出された例もあるそうですよ。

 

生ものが好きな人もたくさんいると思います。でも赤ちゃんと一心同体で過ごす約10か月は、頑張って我慢してあげられるといいですね。