不妊症であろうとなった場合、気になるのがその原因です。不妊症には様々な原因がありますが、大きく分けて女性側に原因がある場合、男性側にある場合、両方にある場合、不明の場合があります。今回は女性側の不妊の原因についてご紹介する第一弾です。
<不妊症の原因は男性女性のどちらに?>
WHO(世界保健機関)が不妊症の7273カップルを調査した結果によると、女性のみが原因の場合は41%、男性のみの場合は24%、男女両方にある場合は24%、不明の場合は11%だったということです。
不妊の原因を調べる際、女性だけが検査を受けるというケースも見られますが、4組に1組の割合で男性に原因がある可能性があり、男女ともにある場合と合わせると2組に1組の割合になるため、不妊症の検査は夫婦で受けなければならないと考えられます。
<女性の不妊原因①排卵因子(排卵障害)>
月経不順の場合、排卵障害が不妊の原因となっている可能性があります。
排卵障害の原因としては、「視床下部や下垂体の障害」「高プロラクチン血症」「多嚢胞性卵巣症候群」「卵巣障害(染色体異常、早期卵巣不全、ゴナドトロピン不応性卵巣症候群など)」「甲状腺疾患」「黄体化未破裂卵胞症候群」などによるものがあります。
他にも、過度なダイエット、大きなストレス、過度な運動などが原因になる場合もあります。急激なダイエットによる痩せすぎだけでなく、太り過ぎも排卵障害の原因となります。肥満による排卵障害として多い疾患は、多嚢胞性卵巣症候群です。
日本受精着床学会が2003年に行ったアンケートによると、排卵因子による不妊は全体の21%でした。
<女性の不妊原因②卵管因子(閉塞、狭窄、癒着)>
卵管周囲の癒着などがあると、卵管の機能が低下します。さらに悪化していくと卵管内の幅が狭くなり(狭窄)、最終的には卵管が詰まってしまう(閉塞)可能性があります。そうなると卵管に卵子が取り込まれにくくなったり、全く取り込まれなくなったりして不妊の原因となるのです。
卵管異常の原因としては、「卵管炎」「子宮内膜症(チョコレート嚢胞や子宮腺筋症含む)」「卵管留水腫」などがあります。
卵管異常の半数は「卵管炎」よるものだと言われており、中でも代表的なのはクラミジア感染によるクラミジア性卵管炎です。女性がクラミジアにかかっても無症状であることが多く、知らぬ間に感染してしまっている可能性があるのです。
日本受精着床学会が2003年に行ったアンケートによると、卵管因子による不妊は全体の20%でした。
<最後に>
今回は女性側の不妊原因として出現頻度が高い「排卵因子」「卵管因子」についてご紹介しました。次回は「子宮因子」「頸管因子」「免疫因子」をご紹介します。