「不妊治療」は一般的にもよく知られる治療となり、不妊治療の専門クリニックも多く見かけるようになりました。ご自身が不妊治療をしたことがある、または友人知人で不妊治療を行なっている人がいる、という方も多いでしょう。日本では、どれくらいの方が不妊治療を行なっているのでしょうか。
【不妊とは?】
日本産科婦人科学会によると、「不妊」とは“妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないもの”であるとされています。また一定期間とは「1年」が一般的であると定義されています。
【不妊検査や不妊治療を受けたことがある人はどれくらい?】
国立社会保障・人口問題研究所「2015 年社会保障・人口問題基本調査」によると、日本で不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦の数は、夫婦全体の18.2%となっています。まだ子供がいない夫婦で見てみると、28.2%にも上るのです。ということは、夫婦全体の5.5組に1組は不妊検査や不妊治療を受けたことがあるということになります。不妊とは決して珍しいことではなく、多くの人の悩みであることがわかります。
【体外受精などの生殖補助医療によって誕生した赤ちゃんの数は?】
それでは、どのくらいの赤ちゃんが、体外受精などの生殖補助医療によって誕生しているのでしょうか。
2015年では51,001人が、生殖補助医療によって生まれています。2015年に生まれた赤ちゃんは全体で1,008,000人ですので、全体の5.1%、20人に1人に当たるのです。
これらは生殖補助医療によって生まれた赤ちゃんの数ですから、その前段階であるタイミング療法や人工授精などのプロセスを経て生まれた赤ちゃんとなると、もっと多いということになります。
【どんなタイミングで不妊検査や不妊治療を検討すべき?】
冒頭にご紹介したように、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、1年以上妊娠しない場合、不妊検査や治療を検討することになります。
ただし、日常生活には問題がなくても、過去に子宮関係で病院にかかったことがある人の場合は、1年が経っていなくても早めに受診した方が良い場合があります。
また加齢によって妊娠の確率が低くなることがわかってきています。近年、結婚や妊娠を検討する年齢が高くなっていることもあり、1年経つのを待つよりも早め早めに受診することが、妊娠の可能性を高めるかもしれません。
【最後に】
不妊とは、年齢問わず起こり得る、多くの人にとって身近な悩みの1つです。
「まだきっと大丈夫」と言い聞かせつつ不安を抱えて生活するのではなく、まずは産婦人科のお医者さんに相談してみてはいかがでしょうか。