甘くて美味しい上に、栄養価の高い蜂蜜。お砂糖で甘味をつけるよりも体に良いからと、料理や飲み物に使っている人もいると思います。しかし、1歳未満の赤ちゃんに蜂蜜を与えるのはN G。今回はどうしてN Gなのかをご紹介します。
【蜂蜜にはボツリヌス菌がいる!】
ボツリヌス菌という名前を聞いたことがありますでしょうか?
ボツリヌス菌は蜂蜜だけに限らず、土壌や河川など自然界に広く存在している細菌です。でも、食中毒としてボツリヌス菌が出てくることはほとんどないですよね。実は、大人がボツリヌス菌を食品などから体内に取り込んでしまっても、大人の腸内ではボツリヌス菌が他の腸内細菌との競争に負けてしまいます。その結果、何も起こらないことがほとんどなのです。
しかし赤ちゃんの場合はまだ腸内環境が未発達のため、ボツリヌス菌が腸内での競争に勝って増殖し毒素を出すため、便秘になったり、母乳をあまり飲まなくなったり、首のすわりが悪くなったり、なんとなく元気がないといった症状を引き起こすことがあるのです。ほとんどの場合は適切な治療をすることによって治りますが、亡くなってしまう可能性も0ではありません。
国内では、蜂蜜を食べたことによりボツリヌス症になった可能性のあるケース以外に、井戸水を原因とするケースが報告されています。
【ボツリヌス菌は熱に強い】
細菌といえば、熱処理をすることで対処できると思うかもしれませんが、ボツリヌス菌(芽胞)の耐熱性は120℃で4分加熱とされているため、普段通りの調理方法では死滅しません。蜂蜜はそもそも加熱せずに摂取することの方が多いですし、加熱したとしても十分ではない可能性が高いです。
【蜂蜜入りの食品や飲料にも注意】
蜂蜜自体はあげないようにと思っていても、より注意したいのは蜂蜜入りの食品や飲料です。赤ちゃん向けとして販売されている物であれば、まず問題はありませんが、1歳が近づいてきたころに大人の食べ物を分け与える時など、食品や飲料に蜂蜜が含まれていないか十分に注意する必要があります。
【最後に】
大人にとっては無害でも、1歳未満の赤ちゃんにとっては有害となってしまう蜂蜜。大人にとっては無害どころか体に良いと言われる食品であるからこそ、知らずにあげてしまったり、なぜダメなか理由を知らないことで「ちょっとくらい大丈夫だろう」を考えてしまったりするかもしれません。
繰り返しになりますが、1歳未満の赤ちゃんに蜂蜜を与えるのはN Gです。くれぐれも注意してくださいね。