妊娠を望む人や、妊娠している人、または出産経験者であれば聞いたことがあるであろう「切迫早産」という言葉。実際に経験をしていない人にとって、特に妊娠中の人にとって、切迫早産とは一体どういった状態で、どんな原因があるのか気になるのではないでしょうか。今回は切迫早産とは何か、そしてその原因についてご紹介します。
【切迫早産とは?】
切迫早産とは簡単にいうと、正期産に入る前の妊娠22週以降37週未満に、早産となる危険性が高いと考えられる状態、早産につながるような兆候がある状態、つまり早産の一歩手前の状態のことです。
ちなみに早産とは、妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産のことです。妊娠22週未満の出産の場合は、流産といいます。早産は妊娠全体のうち3〜5%程度の確率で起こっています。
早産になると、赤ちゃんは未熟な状態で生まれてくることになるため、感染症にかかりやすかったり、合併症を起こしやすかったりというリスクがあります。未熟児の生存率は医療の発達により上がってはいるものの、何らかの後遺症が残る可能性もあります。
切迫早産と診断されたからといって、必ず早産になるというわけではありません。早産にならないように、医師の指示のもと、適切な治療を行うことで回避を目指すことになります。
切迫早産の診断があった場合、妊婦さんによっては自覚症状が全くなかったという人もいるようです。そのため、定期的な妊婦健診をきっちりと行うことが早期発見につながるといえるでしょう。
【切迫早産の原因とは?】
母体側に原因がある場合、胎児側に原因がある場合など様々ですが、残念ながら、切迫早産の原因は明確にわからないことの方が多いようです。
原因がわかるものには、細菌感染、子宮頸管無力症・子宮筋腫・子宮奇形など子宮の異常、多胎妊娠、羊水過多などがあります。
この中で最も多いのが絨毛羊膜炎という感染症です。絨毛羊膜炎に感染することで、炎症が子宮頸管や卵膜にまで達し、前期破水や子宮収縮が起こる場合があると考えられています。
この原因であった場合は、妊婦さんに自覚症状がない場合も多いようです。
他にも、妊婦さんに過度のストレスがかかったり、睡眠不足などにより疲労が蓄積されたり、体が冷えたりすると、体に負担がかかってお腹が張りやすくなり、人によっては切迫早産になりやすいという考えもあります。
【最後に】
今回は切迫早産とは何か、そしてその原因についてご紹介しました。
次回は切迫早産の症状についてご紹介します。