WHO(世界保健機関)が不妊症の7273カップルを調査した結果によると、女性のみが原因の場合は41%、男女ともに原因がある場合は24%でした。今回は女性側の不妊の原因についてご紹介する第2弾です。
<女性の不妊原因③子宮因子(子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮奇形)>
子宮に異常があると、受精卵の着床が妨げられ不妊の原因になる可能性があります。妊娠できたとしても、胎児が順調に発育できなくなったり、流産の原因になったりすることもあります。
子宮異常の原因には、「子宮筋腫」「子宮内膜ポリープ」「子宮奇形」「子宮内腔の癒着」「流産手術」などがあります。
子宮筋腫があれば全てが不妊の原因になるというわけではなく、その大きさや位置によって影響は異なります。また子宮筋腫の場合、着床を妨げるだけでなく、精子が卵子へ到達するのを妨げることが不妊に繋がることもあるようです。
子宮奇形の場合は問題なく出産できるケースも多いですが、妊娠はできても流産を繰り返してしまう原因にもなると考えられています。
日本受精着床学会が2003年に行ったアンケートによると、子宮因子による不妊は全体の18%でした。
<女性の不妊原因④頸管因子>
原因となることは少ないですが、頸管因子による不妊もあります。
排卵期には子宮頚管から分泌された頚管粘液(おりもの)が増加し、子宮の入り口を満たします。この頚管粘液が少ないと、精子が子宮内を通り抜けることが難しくなり、不妊の原因になるのです。
頚管粘液の減少は子宮の奇形や子宮頸部の手術、子宮頸部の炎症などが原因で起こります。
子宮頚管部に子宮筋腫があることが原因で、精子が子宮の奥にまで到達できない場合、頚管因子の不妊症になります。
<女性の不妊原因⑤免疫因子(抗精子抗体など)>
免疫異常により抗精子抗体(精子を障害する抗体)を産生してしまう場合、その抗体が子宮内腔や頸管粘液にも分泌され、精子の侵入を妨げたり、受精障害が起こったりします。その中でも精子不動化抗体(精子の運動を止めてしまう抗体)の場合、状態の良い精子も通過することができません。
この抗体は女性だけでなく、男性が保有している場合もあります。
日本受精着床学会が2003年に行ったアンケートによると、免疫因子による不妊は全体の5%でした。
<女性の不妊原因⑥不明>
残念ながら、様々な検査を持ってしても原因がわからない場合もあります。
<最後に>
不妊と一口に言ってもその原因は様々あるようです。原因がわかれば、それに合わせた治療が可能になります。まずは原因を突き止めるところからスタートしなければなりませんね。